株式市場を人間として読む

自分の中で、株式市場は相場そのものではなく人間を相手にする場所になっている。価格は全部の情報を表しているように見えるが、その価格を作っているのは人間だ。だから、数字だけを見るのではなく、人間がどこで熱狂し、どこで冷静になり、どこで資本を動かしているかを読む必要がある。

相場ではなく人間を相手にする

株式市場にはアニマルスピリッツ的な部分がかなりあると思う。本能という言い方もできるが、実際には無意識の領域が強い。マーケットはその結果が全部出た価格帯ではある。ただ、根本にあるのは人間同士の読み合いで、自分の感覚では株式将棋に近い。数字で回っているように見えて、その数字を生み出しているのは人間側だ。だから相手は相場ではなく、人間だという前提がまずある。

多数派になったら勝てない

その上で、どう勝つかを考えると、まず多数派になったら勝てないということは明確だと思う。資本主義でも、スポーツでも、勝つのは少数派だ。オリンピックでメダルをもらえるのも3位までで、戦っている全員ではない。株式市場でも同じで、みんなと同じ場所に行ってしまうと勝てない。だから少数派になることが大前提になる。

割高には手を出さない

数字の心得としては、割高のものには絶対に手を出さない。負ける確率が一気に上がるからだ。買うのは割安か、少なくとも適正価格のものだけにする。空売りやレバレッジも危険だから、基本的にはやりたくない。本当にこれはいけると思えるものだけ、全部なくなる覚悟と余裕がある時に限って考える。未来は確実ではないから、負けないためには適正価格と割安だけを買うという前提が必要になる。

開示資料から価格帯を数値化する

その判断軸をぶらさないためには、まず割高、割安、適正価格を数値化しないといけない。上場企業は必ず開示資料を出していて、資産や事業内容や数字はどこかで見られる。毎回人力で調べるのはきついが、計算できる材料はある。だから独自に開示資料を自動取得し、そこから割安、割高、適正価格を計算するロジックを組んだ。それをサイトとして公開し、APIでも使えるようにしている。もともとは自分が使うために作ったものだが、事業として収益になればそれもいい。

公開情報でコピートレードする

もう一つやっているのがコピートレードだ。資本はだいたいどこかを回っている。政治家や大きな資本を持つ人物、企業家が何を持っているかを見れば、上がる確率が高いものを拾える可能性がある。非公開のコミュニティに入ってインサイダーのようなことをするのは違法だからできない。ただ、上場マーケットでは大量保有などの公開情報が出る。そこをウォッチして、誰が何を保有しているかを追跡できれば、公開情報の範囲でコピートレードができる。

割高すぎるものを小さく空売りする

三つ目は空売りだが、これは危険な手でもある。自分の持論では、世の中で暴落や急落と呼ばれているものの多くは、割高すぎたものが適正価格に戻っているだけだ。割安なものも、経営がちゃんとしていれば基本的には適正価格に戻る。その差分でアービトラージが取れる。逆に割高すぎるものは、相場が冷静になった時に適正価格へ戻る。SNSで加熱している、本質的な価値が薄い、数字で見ても明らかに割高すぎるものを小額で空売りし、適正価格の少し上くらいで利確する戦略は試してみたい。最終的にはこの三つの精度を高めながら、自分で使う基盤をサービス化し、事業収入を投資資金として回したい。

三つの精度を高める

今の投資に関する考え方は、相場を人間として読み、少数派で立ち回り、割高には手を出さないという前提の上にある。開示資料から価格帯を数値化し、資本を持つ人の公開情報を追い、余裕が出たら割高すぎるものを小さく空売りする。この三つを磨きながら、同時にサービスとしても成立させて、事業と投資の資金循環を作ろうとしている。