読書で見えたバイアスの反転

昨日から今日にかけて、投資の大暴落や市場の割高さを扱う本を読んだ。最初は書き手のことを知らず、文句が多くてひねくれている人だと感じていた。でも最後に Jim Rogers だと知った瞬間、今度は逆方向に評価が跳ねた。その反転を見て、自分は内容そのものより、誰が言っているかという情報にかなり引っ張られているのだと思った。

嫌悪感から入り直した

最初に読んだ時は、正直かなり嫌な印象があった。誰なのか分からないまま、市場が割高だとか、政治がどうだとか、文句のように見える話が続いていた。昨日の夜はその前にも一冊読んでいて、頭が詰まっていたこともある。途中で面白くないと感じて、読むのをやめた。今日の昼に頭がすっきりした状態で読み直しても、序盤はまた同じ嫌悪感が出た。ただ、そこで切らずに読み進めると、後半にはかなり勉強になるところが増えていった。

実績を知った瞬間に評価が変わった

最後に書き手が Jim Rogers だと知った。ウォーレン・バフェットやジョージ・ソロスと並ぶ投資家として語られる人で、80歳でもある。そこを見た瞬間、さっきまでの嫌悪感が一気に反転した。すごい人が言っているなら重みがある、という見方に変わった。これは危ないと思った。知らない時はひねくれた人に見えて、実績を知った瞬間に同じ言葉がすごい言葉に見える。内容ではなく、外側の情報で評価が動いている。

自分のバイアスを疑っていなかった

常識を疑うことは意識しているつもりだった。でも、自分のバイアスを疑うことは全然できていなかった。政治の話が出ると嫌悪感が出る。知らない人の強い主張には警戒する。逆に実績があると分かった瞬間、安心して受け入れやすくなる。多分もう一度読み返したら、今度は「すごい人が書いている」という逆のバイアスがかかる。だから正確に判断するには、知識を増やすだけではなく、評価がどこで歪んだかを見る訓練がいる。

割安なものを見る

投資の話として残ったのは、やっぱり割安な時にしか買わないという姿勢だった。どれだけいいものでも、割高なら買わない。みんなが見ていないもの、目立っていないもの、過小評価されているものを見つけて、そこに金を入れる。この前読んだ日本の個人投資家の話ともつながった。株式市場でも消費でも、適正価格を見ないまま高いものを買えば高値掴みになる。価値を見る力と、値段を見る力は分けて持たないといけない。

失敗データにも価値がある

成功したい時、多くの人は成功者の話を聞こうとする。でも、成功していない人の思考や、人望がない人のふるまいを見る方が、失敗データとして大事なこともあると思った。目立つものは、すでに加熱していたり、バイアスが乗っていたりする。目立っていないものを見る。本質的価値を見る。歴史を学ぶ。自分のバイアスを疑う。投資の知識そのものより、自分がバイアスに飲まれていたと分かったことの方が大きかった。

判断の歪みを先に見る

歴史は全く同じ形ではなくても、本質的には繰り返される。市場の歴史も、人間の判断の歴史も同じだと思う。見たいものだけを見て、見たくないものを避ける癖があるなら、投資でも読書でも判断は歪む。まずは目立たないものを見て、割安かどうかを見て、その前に自分の評価がどの情報で動いたのかを見る。そこをやらないと、知識が増えても同じバイアスに飲まれる。