ビジネスやコンテンツ制作で一番難しいのは、自分の抽象度を下げ切ることではなく、高い視点を失わずに低い視点で作ることだと思う。大衆心理に没入しないと反応は取れないが、没入しすぎると自分も流れに飲まれる。その高低差を意識的に扱い、最終的には無意識で切り替えられる状態まで持っていく必要がある。
高い視点で低い入口を作る
抽象度が高いままだとすべる
知識、経験、体験が増えるほど、自分の中では見えている世界の情報密度が高くなる。抽象度もどんどん上がる。ただ、ビジネスでもコンテンツ制作でも、抽象度が高い人の方が少ない。だから自分が見ている密度のまま提供すると、上滑りする。ごく一部は理解するかもしれないが、大半には何を見ればいいのか分からないものになる。
理解されたいより反応を見たい
誰かに理解されたいからやっているわけではない。ただ、誰にも理解されないのも違う。自分が見たいのは、大衆が何かに触れた時に動く反応だと思う。笑ってくれたらまたちょっかいを出したくなるような感覚に近い。大衆を下に見ているというより、反応そのものを面白がっている。
流れに没入しないと動かせない
大衆は時代の流れで動く。だからビジネスやコンテンツで反応を作るには、その流れを利用する必要がある。ただ、流れを追うと自分もその中に取り込まれる。大衆心理を理解するには没入が必要だが、没入すると自分の抽象度も下がる感覚がある。流れを泳いでいるつもりが、いつの間にか溺れている感じになる。
高い視点を持ちながら低く作る
必要なのは、高い視点を持ったまま低い視点に合わせることだと思う。入り口は広くしないといけないから、表面上の抽象度は下げる。ただ、そのまま低いところに留まるのではなく、自分の世界に引き込むための高い情報空間も持っておく。表面は分かりやすいのに、本質の抽象度は高い。最初から当てる天才は、この切り替えが自然に備わっているのだと思う。
意識的な反復で無意識化する
本来はこの切り替えを無意識でできるのが理想だが、最初からそこには行けない。低い視点と高い視点を意識的に使い分け、必要な要素を抽出して、試行錯誤の回数を積むしかない。うまくできないのは、思考回数と経験のループが少なく、パターンが足りないからだと思う。結局は数で、繰り返すほど精度が上がる。
自分の興味と結びつける
低い視点に合わせるだけでは続かない。自分の興味と紐づいていないものは、繰り返せず、パフォーマンスも落ちる。好きなことなら試行回数を積めるし、没入しても戻ってこられる。だから大衆側の視点と自分側の興味を同時に満たす場所を探す必要がある。高いか低いかだけではなく、自分と一致しているかも同じくらい大事になる。
無意識の領域まで持っていく
必要な要素を抽出し、試行錯誤を繰り返し、回数を積む。最初は意識的に高低差を扱うしかないが、最終的には無意識で切り替えられる状態にしたい。高い視点を持ちながら低い視点で作る技術は、頭で分かっているだけではどうにもならない。身体に入るまで繰り返すしかないと思う。