UIUXに出るサービスの誠実さ

ソフトウェアやSaaSのサービスでは、基本的にUIUXがめちゃくちゃ大事だと思っている。ただ、それはユーザーが使いやすいから大事、というだけではない。ユーザー体験や使い勝手という言葉で片付けられがちだが、根本的には、そこにサービスの誠実さが現れる。

読みにくいニュース記事への違和感

例えばニュース記事を読む時、Yahoo!ニュースでもそうだが、UIUXが悪いと感じることが多い。広告が多くて読みにくかったり、ひどいところだとクリックするたびに広告が出たりする。ビジネスモデル的に仕方ない部分はあると思う。ただ、基本的にUIUXが悪いところは、サービスとして誠実さが足りないように見える。純粋に金儲けとして考えている感じが出てしまう。

信頼される顧客を作る接点

誠実さが何よりも大事かと言われると、そこまで絶対的なものではないかもしれない。それでも、愛用してくれる顧客や、その製品を本当に信頼している顧客を獲得するには、サービスの品質そのものよりUIUXの方が大事になる場面がある。顧客が実際に触る場所だから、細部にどれだけ手を入れているかが伝わりやすい。

AIプロダクトの差

AIでも同じことを感じる。ChatGPT、Claude、Geminiを比べると、自分の感覚ではOpenAIの製品が一番すごい。ChatGPTだけではなくCodexもそうで、APIプラットフォームだけは少し使いにくいが、それ以外はUIUXにかなりこだわっているように見える。Claudeはめちゃくちゃ使いやすいというより、エンジニアが求めているものをやっている。少しメカメカしく、技術寄りで、多機能でもある。だから開発者や技術者が愛用しているのだと思う。モデル性能だけをフラットに見れば、自分はGPTモデルの方が高いと感じているが、それでもClaudeが選ばれる理由はUIUXにある。

Geminiと構造で勝つ企業

Geminiはモデルとしてはかなり強いのだと思う。ただ、UIUXが弱くて、そこでかなり台無しになっている印象がある。Googleはもともと、B2Cで一つ一つの体験を磨くというより、すでに持っている大規模な構造で勝つ企業に見える。YouTube、Gmail、いろいろなアプリにGeminiを組み込んで、既存の利用面にAIを足していく。Googleらしい選択だとは思うが、Gemini単体の体験として見ると、使いやすいとは感じにくい。

ダークモードの細部

最近はいろいろなサービスがダークモードを導入しているが、ここにも差が出る。自分は基本的にダークモードを使っているが、ただ真っ黒にすればいいわけではない。真っ黒はかなり使いにくいし、目が疲れる。UIUXが得意ではない企業は、ダークモードを真っ黒か少し薄い黒くらいで済ませているように見える。一方で、OpenAIのダークモードはかなり品質が高い。今まで使ってきたソフトウェアやサービスの中でも、ここの見え方へのこだわりは相当高いと感じている。細部に神は宿るという言葉の通り、そういう部分に誠実さが出る。

シンプルで邪魔にならない設計

ただ、UIを整えれば何でもいいわけではない。デザインを仕上げすぎると、パリのファッションモデルのような奇抜な方向に行くこともある。でもUIUXは派手である必要がない。邪魔にならない方がいい。ファッションで言えばユニクロに近い。無駄を削ぎ落として、使う人の邪魔をしない。YouTubeのUIもかなりいい。ロゴ以外はほとんどユーザーが投稿したものが出るだけで、サービス自体が前に出すぎない。Googleの他のサービスには微妙なものも多いのに、YouTubeやYouTube Musicはかなりこだわっている印象がある。

顧客が触れる場所を見る

自分が何かを提供する時も、他社の製品を評価する時も、UIUXはかなり重視したい。ソフトウェアだけではなく、いろいろなサービスで、お客さんが触れる場所をどれだけ大事にしているかを見る。細かいところまでやっているかどうかに、固定ファンや熱狂的なファンがつく理由が出る。顧客が触れる部分を大事にしないといけない、という感覚がある。