最近、エントロピーの法則をかなり深掘りしている。物理法則として見ると、エントロピーが低い状態は散らかっていない状態で、高い状態は散らばっていてランダムな状態になる。粒子的なものが固まっているか、散らばっているかというイメージに近い。物理空間では基本的に、低いエントロピーから高いエントロピーへ進む。過去は低く、未来は高い。だから過去には戻れないし、物理的なものは崩れていくという前提がある。
情報空間のエントロピーを上げて抽象化する
物理空間は崩れていく
物理空間では、エントロピーが高くなるほど物は散らばり、崩れ、劣化していく。人間も例外ではない。身体も脳もだんだん劣化していく。ただ、生物にはホメオスタシスという内部を維持する働きがあり、エントロピーに逆らい続けている。若いうちはその抵抗が間に合っているが、老化するとだんだん間に合わなくなる。最終的にはエントロピーが勝って、生命は終わる。シンプルに言えば、人間は壊れていくものに逆らって生きている。
情報空間では逆に働く
自分の見方では、世の中には物理空間と情報空間がある。物理空間ではエントロピーが高まるほど崩壊に向かうが、情報空間では逆に見える。頭の中の知識、経験、情報量が増えるほど、抽象度は高くなる。情報が少ないほど低い視点になり、情報が多いほど高い視点を持てる。年を取るほど経験や知識が増え、それが知恵になる面もある。物理的には劣化していくが、情報空間では成長していく。この反比例のような関係が、人間を考えるときにかなりややこしい。
一度散らかし切る必要がある
シンプルに考えるためには、最初からシンプルにしようとしてもほぼ無理だと思う。まず情報量を増やす必要がある。部屋で言えば、一度ゴミ屋敷ぐらい情報をためる。散らかれば散らかるほど、情報空間では材料が増える。そこで限界までたまったタイミングで一気に掃除し、大事なものだけを残して、いらないものを捨てる。この繰り返しが必要になる。宝物を見つけるには、一回ゴミをいっぱいにしないといけない。
法則を抜いてチャンク化する
重要なのは、増やした情報から自分で定義を作ることになる。定義の精度を高めるには、思考回数と情報量がめちゃくちゃ必要になる。情報を高めて高めて、その中から大事なものだけを抜き、法則を取り出し、シンプルにチャンク化する。そうやってできた定義がまたたまっていくと、さらに一つ上の階層でチャンク化できる。情報量を増やして、チャンク化して、また増やして、またチャンク化する。その往復で抽象度が上がっていく。
高い視点が競争優位になる
抽象度が上がると、高い視点から物事を見られるようになる。高い視点で見られること自体が競争優位になる。世の中は競争だから、低いところで複雑に戦っている人がいても、一つ上の視点を持つ人から見ると、その複雑さはかなりシンプルに見える。ランダムに見えているものも、上から見ると法則にのっとっている。そこで本質をつかめれば勝てる。結局、その繰り返しなのだと最近かなり分かってきた。
まだ精度を上げたい概念
ホメオスタシスとエントロピーは、科学的な面でも、物事を考えるうえでもすごく使える定義だと思っている。ただ、人間に当てはめると物理空間と情報空間が絡んでかなり複雑になる。難しく考えすぎてもきりがないが、壊れていくものに逆らって生きることと、情報を増やして抽象化していくことは、自分の中でかなり重要な軸になっている。もっと精度を上げるために、この二つはもう少し深掘りしていきたい。
散らかしてから掃除する
今の自分にとって大事なのは、情報空間では一度散らかすことを恐れないことになる。大量に入れて、散らかして、限界までためて、そこから掃除して、大事なものだけを残す。それを自分なりの定義にして、さらに上の階層でまた同じことを繰り返す。エントロピーとホメオスタシスを考えながら、この情報の増加と抽象化の往復をもっと精密に見ていきたい。